加湿器の寿命は何年ぐらい?長く使うためのお手入れ方法は?
寒さとともに乾燥が気になる季節になってきました。この時期に活躍するのが「加湿器」です。今はオシャレなデザインのものも増え、アロマオイルをたらして香りを楽しむ人も増えています。しかし、加湿器は何年くらい使えるものなのでしょう?
そこで、今回は加湿器の寿命についてご説明します。加湿器は1年を通じて使うものではありません。ですから、故障もしにくいでしょう。
しかし、古い加湿器を「まだ動くから」と使っているとかえって健康に有害なこともあります。加湿器が古くなったという方や最近加湿器の調子が悪いという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.加湿器の意外な危険性は?
加湿器は、ボトルにためた水を水蒸気や細かい水滴にして放出する器具です。蒸気、というと水を加熱して出すものというイメージがあります。しかし、加湿器はスチーム式のほかに超音波で水をたたいて水滴を飛ばす「超音波式」や、フィルターに冷風や温風を当てて蒸気を出す「気化式」、「ハイブリッド式」もあるのです。自分が使っている加湿器の種類が分からない場合は、一度説明書を確認してみましょう。
さて、加湿器は1年を通して使う器具ではありません。使用するのは冬だけ、というご家庭が大半でしょう。
また、一度加湿器に給水すると、しばらくそのままという方もいると思います。このような状態になると、心配になるのはカビです。現在の加湿器は、水を沸騰させて蒸気にして放出するスチーム式よりも温風を水でひたしたフィルターに当てて蒸気を出すハイブリッド式が主流。
デザイン性の高さから、蒸気ではなく細かい水滴状の水を出す超音波式を使っている方も少なくないでしょう。つまり、汚れた加湿器を使っていればカビの胞子が蒸気となって部屋中に散らばる危険性があるのです。ですから、カビが部品に繁殖した時点で加湿器は寿命を迎えるといってよいでしょう。
2.ライフスタイルに加湿器が合わなくなってくることも
前述したように、加湿器にはいくつかの種類があります。その中で最も歴史が長いのが、スチーム式加湿器。最も安価で電気代が安いのが超音波式です。
しかし、このふたつには大きなデメリットがあります。スチーム式の場合は温度。吹き出し口から出る蒸気は、ヤカンから出るものと変わりありません。ですから、手をかざせばやけどします。
また、常にお湯を沸かし続けているのと同じですから、電気代もかかるでしょう。小さい子どものいるご家庭に置くには不向きです。
超音波式は超音波で水面を振動させて細かな飛沫(ひまつ)を作り、それをはじき飛ばす方式。ですから、厳密にいえば超音波式の加湿器は水滴をまき散らす散水機のようなものです。そのため、近くにパソコンやスマートホンなどの水気を嫌う電子機器を置いておくと故障の原因になります。
さらに、毎日お手入れをして水を換え続けないと汚れた水を部屋中にまき散らすことになるでしょう。ですから、忙しくて手入れができなくなったり、家にパソコンなどを置いたりしただけで使えなくなるのです。ライフスタイルに合わなくなっても、加湿器の寿命だと考えましょう。
3.加湿器は何年くらい使えるの?
加湿器は、通常の使い方をしていれば10年前後は問題なく使えることが多いです。しかし、家電量販店やインターネットの通販サイトを見れば分かるように、加湿器の値段は幅があります。加湿器の仕組みはそれほど複雑なものではありません。
ですから、海外のメーカー産の安価なものも販売されているのです。安いものがすべてよくないというわけではありませんが、あまりに安い加湿器はやはり寿命も短い傾向にあるでしょう。
4.加湿器の寿命が近くなると起こりがちな故障や注意点
では、加湿器を長年使ってきて寿命が近くなるとどんな故障が起こるのでしょうか?長持ちさせるためのコツとともにご紹介します。
4-1.加湿器の寿命が近くなると発生しやすい故障は?
加湿器の寿命が近くなると、電源系統の故障が多くなります。スイッチが入らなくなったり電源ケーブルが中で寸断されたりすることもあるでしょう。加湿器は水を使う器具ですから、どうしても水に弱い電源系統から故障しやすくなります。
また、送風ファンが故障することも多いです。気化式の場合は送風ファンが回って蒸気を出すので、この部分のモーターの部品が消耗すると、蒸気が出なくなるでしょう。
3-2.加湿器をできるだけ長く使うためには?
加湿器は、こまめなメンテナンスが不可欠な器具です。前述したように、水を入れっぱなしで洗いもしなければ、カビの培養をしているようなもの。こまめに洗ってください。
フィルターの交換も必須になります。さらに、アロマオイルを使う場合にも注意が必要です。
アロマオイルを加湿器に加える場合は、ごく少量にしましょう。大量に使えば、香りも強くなりますがその分オイルの成分も部屋中に広がります。安価なオイルは化学合成されたものですから、大量に使えば健康に影響もあるでしょう。
さらに、アロマオイルを次々と取り換えると、臭いがまじりあって大変なことになります。ですから、一度使うオイルを決めたらそれだけを使い続けるか、似たような系統の臭いのオイルを使いましょう。別のオイルを使う場合は、受け皿を入念に洗って乾かしてから使ってください。
さらに、湿度が高くなってきてしばらく加湿器を使わない場合は、2~3日乾燥させて中の水分を完全にきってから、しまいましょう。水気が残ったまましまいこむとカビの原因になるでしょう。
また、使うときは蒸気に触れたりつまずいたりしないところに置いてください。毎年消費者センターには、加湿器による事故がたくさん報告されています。
5.身近なものを加湿器の代わりに
加湿器は、お手入れが大変だから使いたくないという方もいるでしょう。また「以前使っていた加湿器があまりよくなくて、新しい加湿器を買うのをためらっている」という方もいると思います。そのような場合は、身近にあるものを加湿器の代わりにしましょう。ぬれタオルを部屋につるしておくだけで、部屋の湿度は上がります。
また、電気ポットをスチーム式の加湿器の代わりにする方法もあるのです。電気ポットに水を入れると、蒸気が上がります。スチーム式加湿器の原理と全く同じです。お手入れも簡単ですので、電気ポットが家にある場合は加湿器の代わりに使ってみてはいかがでしょうか?
おわりに
今回は加湿器の寿命についてご紹介しました。
まとめると
- 加湿器はメンテナンスがこまめに必要な器具である。
- メンテナンスを怠ると内部でカビが繁殖し、使い物にならなくなる場合がある。
- ライフスタイルに加湿器の種類が合わなくなる場合もある。
- 加湿器を長年使っていると電源系統の故障やファンを回すモーターが故障しがちになる。
ということです。
加湿器の歴史は古く、大正時代にはすでに商品化されています。しかし、その反面万人が満足する加湿器はいまだに完成していません。どのタイプの加湿器もメリットとデメリットがあります。
ですから新しい加湿器を買う場合は「どれでもいっしょ」と思わずに、ライフスタイルに合っているかどうかやお手入れの仕方をよく調べて購入しましょう。それも長く使うコツです。