中古の工作機械は売れるのか? 購入・買取依頼する際のポイント
ものづくりをおこなう際、大きな役割を担っているのが「工作機械」です。新しい工作機械を買いたい・中古の工作機械を売りたいとき、一体どうすればいいのか悩みますよね。できれば、納得できるものを購入したい・高価査定で買い取ってもらいたいはずです。工作機械の購入・買取を失敗しないためには、工作機械について基礎知識を習得しておかなければなりません。そこで、本記事では、工作機械とは何なのか、種類やリサイクル・業者選びなど詳しく説明します。
この記事を読むことで、工作機械について詳しく知り、購入・売るために必要な情報が入手できます。中古の工作機械について知りたい方や購入・買取を考えている方は必見です。
1.工作機械とは
工作機械を購入する・買取に出す前に、一体どういうものなのかきちんと把握しておきましょう。工作機器の基礎知識を習得することは大切なポイントです。
1-1.工作機械とはどういうものか
私たちの身のまわりには家電製品・デジタル製品・カメラ・時計といった精密部品から、自動車・船など大型のものまで、金属が材料になっている部品は数え切れません。これら金属から構成される部品は、すべて素材から加工して出来上がります。そこで、加工をおこなう機械が「工作機械」です。そのため、工作機械はものづくりになくてはならない機械といえます。また、工作機器は金属だけでなく、ガラスやセラミックスなど幅広い素材の加工も可能です。
1-2.使用目的
工作機器の主な使用目的は、機械部品を必要とする形状・精度に効率よく加工することです。加工をすることで、私たちが使用できる製品になります。そのため、機械を作る機械ともいわれているのです。切削・鍛造・圧延することで金属・木材・そのほかの材料を有用な形にします。
1-2-1.どこで使うか
工作機械は、工場や研究所・製造所など、ものづくりがおこわなれている場所で必要なものになります。ただし、どのようなものを作るかで使用する工作機械が変わるものです。種類については、後ほど【2.工作機械の種類】で説明します。
1-2-2.どんなときに使うか
工作機器は何でも作ることができる機械といっても過言ではありません。たとえば、自動車・エンジン・シャフトなどの金属部品・タイヤ・プラスチックなど、思いどおりの形状・精度の部品を作ることができます。理想的な部品を作りたいときに工作機器を使うことが多いです。さまざまな場面で使用するでしょう。
1-3.必要性
工作機械は古代エジプトから存在していた機械だといわれています。工業生産財として成り立つようになったのは、産業革命からです。従来のものづくりは長い修練を積んだ熟練工の存在が必要でした。しかし、工作機械の発達・進展によって熟練工の技術まで達することができたのです。よって、加工・製品の生産には工作機器が必要になります。マザーマシン(母なる機械)・機械を生み出す機械といわれているほど、大切な存在なのです。
2.工作機械の種類
工作機械には幅広い種類があります。ここでは、主な種類とその特徴・マシニングセンタについて詳しく説明していきましょう。
2-1.主な種類と特徴
主な種類としては、旋盤(せんばん)・ボール盤・中ぐり盤・スライス盤・歯切り盤・研削盤が挙げられます。それぞれの特徴と加工方法を以下にまとめてみました。
- 旋盤(せんばん):代表的な機種。円筒または円盤状の工作物を回転させて加工する。主に、外丸削り・面削り・テーパ削り・中ぐり・穴あけなどの加工をおこなう
- ボール盤:ドリル工具を回転させることで穴あけ加工をおこなう
- 中ぐり盤:ドリル工具などであけた穴の内面を精度・加工する
- スライス盤:フライス工具を回転させることで平面・曲面・みぞなどを加工する
- 歯切り盤:ホブカッタ・ラックカッタなどの工具を使って歯切り加工をする
- 研削盤:バイト・フライス工具などの代わりに砥石(といし)車を使って加工する
2-2.マシニングセンタについて
NC工作機械といえばマシニングセンタです。NC工作機器とは中ぐりや穴あけ・リーマ仕上げ・フライス削りなど多種多様な加工を連続でおこなうことができます。さまざまな加工に必要な工具を自動で交換できる部分が特徴的です。そのため、わざわざ工具を変える必要もありません。また、機械の軸構成によって、立て形・横形・門形など種類にわかれます。
2-3.そのほか
ほかの種類としては、ターニングセンタと放電加工機があります。ターニングセンタはマシニングセンタと同じくNC工作機器の一種です。旋盤(せんばん)が複合化しています。そのため、NC旋盤(せんばん)の機能を高め、工具を多数備えられるのです。また、旋削(せんさく)加工以外に工具を自動的に交換させる回転工具主軸を持っています。そして、もう1つの放電加工機は、電気による放電エネルギーを活用している加工機械です。レーザーを利用するレーザー加工機や超音波を活用する超音波加工機があります。
2-4.工作機械のメーカーについて
工作機器の有名なメーカーといえば、ファナックです。ファナックが突出しているメーカーといってもいいでしょう。工作機械・売り上げランキングともに業界1位を誇っています。ファナックの工作機器は産業用ロボットも主力製品になっているほど、研究開発に力を入れており、高い技術力を持っているメーカーです。ファナックに次いでシェア率を誇っているのが、安川電機になります。安川電機も産業用ロボット分野でトップに立ち、技術力と安定力を持っているメーカーです。
2-5.最近の傾向
年々、最新鋭の工作機器が誕生しています。たとえば、近年普及がすすんでいるのは旋盤(せんばん)形複合加工機です。ターニングセンタの一種であり、旋回しながら加工できる回転工具主軸を備えています。急速に普及しつつある工作機器です。そして、もう1つ、マシニングセンタの一種になる5軸制御マシニングセンタも普及しています。5軸制御マシニングセンタは、直交3軸と旋回2軸の合計5軸を一緒に制御できる工作機器です。そのため、複雑形状でも簡単に加工できます。
3.中古の工作機械について
工作機械の購入額を抑えたいとき、中古品を考慮してみてはいかがでしょうか。中古品にはたくさんのメリットがあります。中古の工作機器について詳しく見ていきましょう。
3-1.中古品のメリット
中古品のメリットは、新品よりも安い費用で購入できることです。工作機器の値段は非常に幅広い特徴があります。さまざまな用途があるため、加工方法や種類によって価格も変わってくるのです。たとえば、新品の小形NC旋盤(せんばん)などは数百万円、中型で1,000万~2,000万円、大型になるとおよそ1億円にまでおよびます。しかし、中古品は新品よりも安価で購入が可能です。中古品=状態が悪いと決めつける必要はありません。品ぞろえがいい業者には良い状態のものがそろっています。
3-2.工作機械の耐用年数
工作機器の耐用年数は、およそ10~15年です。使用用途や備わっている機能によって異なるため、詳細は工作機器のメーカーに尋ねてみたほうがいいでしょう。中古でも状態が良いものは長く使い続けることができます。また、工作機械の耐用年数をのばすためにはメンテナンスが必要です。
3-3.商品選びのポイント
工作機械を購入する際、商品選びが最も大切なポイントになります。特に、中古は「状態の良し悪(あ)し」に注目しなければなりません。故障している箇所がないかどうか、正常に作動できるかどうか、自分の目で確かめたほうがいいでしょう。また、加工したい方法に合った種類を選ばなければなりません。何のために工作機器を使いたいのか、目的を明確にしておいてください。中古機械の選択で悩んだときは、業者スタッフに相談するといいでしょう。知識が豊富なスタッフなら、最適な商品を選んでくれます。
3-4.中古品を購入できるところ
中古機械を扱っているお店は、全国各地に多数存在しています。近くにお店がなくても、インターネットから購入可能です。しかし、インターネットで購入する際は実物を見ることができません。そのため、ホームページに記載している詳細をしっかりチェックしましょう。また、安心して購入できる業者かどうかも確認しなければなりません。
4.工作機械のリサイクルについて
古い工作機器を処分したい場合、リサイクルする方法があります。リサイクルのメリットや買取・高額査定のポイントなど詳しく見ていきましょう。
4-1.リサイクルのメリット
リサイクルの大きなメリットは、費用をかけずに処分できる点です。大型であるほど処分に手間と時間がかかります。しかし、リサイクルにまわせば買い取ってもらえるため、費用はかかりません。思っている以上に高く売れることもあります。リサイクルできるかどうか、1度業者に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
4-2.リサイクルできるところ
リサイクルできるところは、中古機械を扱っている専門業者や不用品回収業者です。買取をしている業者なら、ほとんどリサイクルしてもらえます。近くにリサイクル業者があれば、中古工作機械を買い取ってもらえるかどうか尋ねてみてください。
4-2-1.リサイクル業者について
リサイクル業者は、幅広い品物を取り扱っています。また、ほかのお店で買取不可になったものでも買い取ってもらいやすいです。ただし、中古機械について知識を持っていないスタッフが査定をすることもあるでしょう。そのため、リサイクル業者に依頼する際は、信用できる業者かどうか見極めが肝心です。
4-2-2.買取について
まだ、稼働できる工作機械であれば、買い取ってもらえる可能性が高いです。工作機械は買取対象品目になります。ただし、壊れている・不具合が出ているものは買い取ってもらえません。すべてが買取可能になるわけではないので、注意してください。
4-2-3.高額査定のポイント
せっかく売るのなら、高額査定を期待したいですよね。高額査定のポイントは、工作機器の状態・メーカー・製造年月の3点が主になるでしょう。特に、工作機器の状態は査定額を大きく左右させるものです。状態が良いほど高値がつきますし、悪いものほど低価格になってしまいます。いずれ売るときのためにも、日ごろからメンテナンス・点検をしてください。そして、人気のあるメーカー・製造年月からたっていない種類ほど高値がつきやすいです。
4-3.レンタルについて
工作機械のレンタルをおこなっているメーカーがあります。ニーズに合った機械を選択し、メーカーがレンタル期間に応じてレンタル料金を提示するでしょう。レンタル料金に納得すれば、契約・レンタル開始となります。工作機械などのレンタルをリース契約とも呼ぶので覚えておいてください。リース契約は年間単位がほとんどです。種類やメーカーにもよりますが、リース契約10年でおよそ数百万円~数千万円になります。
4-4.販売・リサイクル業者について
販売・リサイクル業者の選び方や注意点について詳しく説明します。工作機械の処分を考えている方は、ぜひチェックしてください。
4-4-1.業者選びのポイント
業者選びのポイントとして、以下の項目に注目してください。
- スタッフの対応が丁寧かつ迅速か
- 見積もり・査定額が適正か
- 即日対応が可能か
- ジャンルを問わず幅広く取り扱っているか
- 工作機械に詳しいか
優良業者のスタッフはどんな要望にも丁寧に対応してくれるものです。そして、対応スピードが速いのですぐに買取・処分ができます。また、工作機械に詳しいかどうかも要チェックです。詳しいスタッフがいれば、相談しながら適切なタイプを選ぶことができます。業者とやり取りするときは専門知識を持っているか見極めましょう。
4-4-2.注意点
業者に依頼する前、複数の業者から見積もりを出してもらい比較しましょう。見積もりはもちろん、サービス内容がスタッフの対応など業者選びのポイントを比較することが大切です。比較することで、優良業者と悪徳業者を見極めることができます。最初から1社にしぼってしまうと、トラブルに巻きこまれるでしょう。
5.工作機械に関してよくある質問
工作機械に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.工作機械のメンテナンス・点検とは?
A.工作機械のメンテナンスを定期的におこなうことで、良い状態を保ち続けることができます。主なメンテナンスは、制御盤の点検や移設に関する測定・復元・機械の修理などです。少しでも工作機械に不調が出たら、メーカーに連絡して点検してもらいましょう。
Q.汎用工作機械とは?
A.NC工作機械がコンピューターによる数値制御・自動運転なら、汎用工作機械は作業者が直接ハンドルをまわして操作するタイプです。従来は汎用工作機械が主流でした。けれども、誰が使用しても同じ加工結果になるNC工作機械が広まり、製造業自体に大きな飛躍を与えたのです。
Q.工作機械の買取額はいくらぐらいか?
A.購入年から何年経過しているのかによって買取額が大きく異なるものです。たとえば、1,200万円の工作機械を購入してから3年後に売却します。数年経過しているため、およそ880万円の価値に下がるのです。さらに、10年後になると、120万円と買取額が下がります。10年を目安に価値が下がると思ってください。
Q.業者とよくあるトラブルとは?
A.業者とよくあるトラブルは、見積もり内容と違う・安い金額で買い取られたなどです。悪徳業者は、できるだけ安い価格で買い取り、高く売る傾向があります。また、中古品の状態が悪くてすぐに壊れたなどのトラブルも起きているので注意してください。トラブルを防ぐためにも、見極める力を持たなければなりません。
Q.見積もりは無料か?
A.買取・処分の見積もりは無料です。リサイクル買取サービスでは、年中無休・24時間で受けつけています。買取したものはリサイクル卸売市場やインターネットで販売をおこなっているため、店舗経費がかからず、高価買取の可能性が高くなるわけです。ぜひ1度、見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。
リサイクル買取サービス見積もりはこちら
まとめ
いかがでしたか? 工作機械は母なる機械と呼ばれているように、機械を生み出す機械です。工作機械があるからこそ、この世にはたくさんのものであふれています。複雑な形状・精度でも加工できる工作機械は、小形~大形までと種類・大きさ・設備によって費用が変わるものです。購入費用を抑えたい方は、中古を選択肢に入れましょう。中古でも状態の良いものがそろっている業者はあります。良い状態の工作機械を新品よりも安い価格で手に入る方法です。古い工作機械を売るときも、購入月日が何十年も経過していなければ高価買取が期待できます。ぜひ1度、業者に問い合わせてみてください。工作機械の買取や購入のコツを把握することが大切です。