介護施設への引っ越しでやるべきこと〜荷造りや手続き方法など〜
介護施設への引っ越しが決まったら、やらなければならないことがたくさんあります。身のまわりにあるものから介護施設へ持っていくものを厳選しなければなりません。持ちものが大量だと、片付けや整理整頓に時間と手間がかかります。では、どのように整理し荷造りができるのでしょうか。
本記事では、介護施設への引っ越し方法を解説します。
- 介護施設への引っ越しが決まったらすべきこと
- 介護施設への引っ越し準備
- 介護施設への引っ越し〜家や荷物はどうするか
- 介護施設への引っ越し〜必要な手続きは?
- 介護施設への引っ越し〜業者へ依頼する方法
- 介護施設への引っ越しでよくある質問
この記事を読むことで、介護施設への引っ越しに必要なことや荷造りのポイントなどが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.介護施設への引っ越しが決まったらすべきこと
まずは、介護施設への引っ越しの大まかな流れや、具体的な引っ越し方法をチェックしておきましょう。
1-1.引っ越しの大まかな流れ
介護施設へ入居を決めた時点から引っ越しまでの大まかな流れは以下のとおりです。
- 入居を決めた介護施設と契約し入居日を決める
- 介護施設へ持ち込みができるものとできないものを確認する
- 入居当日まで身のまわりにあるものを整理する
- 入居前日、入居日に必要なものを再確認する
1人暮らしから介護施設へ入居する場合は、家をどうするのか決めなければなりません。持ち家なら売却するか、家族に譲るなどの方法があります。賃貸物件の場合は、入居日に退去するのが理想です。その場合は、退去前日までに必要なものだけ準備し、要らないものはすベて手放した状態にする必要があります。引っ越し準備を始める前に、大まかなスケジュールを確認しておくといいでしょう。
1-2.家族に手伝ってもらうか、業者へ依頼する
介護施設への引っ越しが決まったら、どのように引っ越しをするのか決めておきましょう。基本的に、引っ越し方法は家族に手伝ってもらうか、業者へ依頼することになります。ダンボール1箱分など荷物が少なければ自分で運ぶこともできますが、家族に手伝ってもらったほうが安心です。家族の力が借りられないときは、引っ越し業者へ依頼しましょう。
1-3.介護施設へ持ち込みができるものとできないもの
持っているものすべてを介護施設へ持ち込むことはできません。入居先の介護施設の規定によって、持ち込めるものと持ち込めないものが決まっているので、事前に確認しておくようにしてください。最低限、持ち込みできないものは以下のとおりです。
<持ち込めるもの>
- 衣類
- タオル数枚
- シーツ
- 洗面用具
- 車いすや杖
- 整理タンス など
<一般的に持ち込めないもの>
- 火器類
- 刃物 など
1-4.介護ベッドや寝具は備えつけられている
介護施設には、介護ベッドや寝具・エアコン・証明などは備えつけられているケースがほとんどです。どうしても自分の介護ベッドを使いたい方は、事前に介護施設へ確認してください。持ち運ぶ場合は、自分たちで運搬しなければなりません。また、歯ブラシ・おむつ・ティッシュ・トイレットペーパーなどの消耗品類は、入居後に入居者が購入します。
2.介護施設への引っ越し準備
それでは、介護施設への引っ越し準備で押さえておきたいポイントを解説します。
2-1.できるだけ荷物を少なくする
荷造りは、引っ越しの負担を減らす大切なポイントとなります。介護施設への入居と同時に環境を整える必要があるため、荷造りで必要なものを選び、必要な分だけ持ち込むようにしましょう。本当に必要なものだけを持ち込むことで、引っ越しが楽になり、新しい環境が整いやすくなります。
2-2.持ち込む家具は車いすを意識する
介護つき有料老人ホーム・サービスつき高齢者住宅・住宅型有料老人ホームなどは、収納用品や家具を自分で選び持ち込むことができます。そのため、好みの家具を選び持ち込む人が多いですが、車いすの利用を意識することが大切です。一般的な介護施設の居室は、20㎡弱の広さとなっています。クローゼットがある場合、家具を2つ以上持ち込むと、車いすでの移動が難しくなるのです。たとえ、今歩ける人でも、将来は車いすを使う可能性があるので、スペースを意識し持ち込む家具を選んでくださいね。
2-3.家財整理の手順は同居・別居で異なる
引っ越しの準備で家財整理を行うことになりますが、その手順は家族と同居しているか別居しているかで異なります。同居していれば、必要なものは何か・どこを探したら何が出てくるのか相談し協力しながら進められるでしょう。しかし、別居している場合は、自分で家財整理を行う必要があります。休日を利用して手伝いに来てくれたとしても、ある程度は自分で進めていかなければならないので、同居よりも余裕を持ってスケジュールを立てたほうがいいでしょう。
2-4.安全が脅かされるものは持っていかない
引っ越しの準備を行う際、安全が脅かされるものは持ち込まないで処分しましょう。たとえば、キャスターつき家具や折りたたみいす・テーブルなどです。体の動きがにぶくなる高齢者は、何らかの拍子で近くにあるものをつかみ、体を支えることが増えるでしょう。その場合に、キャスターつきの家具や不安定な折りたたみ式では、安定感がなく、そのまま一緒に倒れてしまう恐れがあるからです。安全が脅かされるものは持っていかず、引っ越し前に処分してください。
3.介護施設への引っ越し~家や荷物はどうするか
それでは、持ち家や仕分けた荷物の対処法とポイントについて解説します。
3-1.持ち家は家族に譲る・売却する
介護施設への引っ越しで持ち家に住む人がいなくなる場合、家族に譲る(相続)か、売却する方法があります。家族と別々に暮らしている人の多くは、持ち家を売却するケースがほとんどです。売却することで介護施設への入居費用に充てることができ、老後も安心して生活できます。ただし、家族へ一言相談することが大切です。後でトラブルにならないためにも、しっかりと話し合い決めてください。
3-2.捨てられない荷物はトランクルームに預ける
なるべく荷物は必要最低限にしておきたいですが、思い出の品や衣類など介護施設とは別の場所で保管したいとき、トランクルームの活用が最適です。トランクルームは、もう1つの収納場所として活用できます。最近では、オフィスビルの一角がトランクルームになっているところもあり、空調や防犯設備も整っているのです。必要なときに家族へお願いし、取り出してもらうことができるでしょう。
3-3.整理業者へ依頼する
どうしても自分で仕分けができないほどの量がある場合は、整理業者へ依頼してください。不用品の仕分けに長(た)けている業者ほど、スピーディーかつ丁寧に作業してくれるでしょう。特に、1人暮らしの高齢者は体力がないので、業者に依頼したほうが安全に荷造りができます。
4.介護施設への引っ越し~必要な手続きは?
ここでは、介護施設への引っ越しで必要な手続きを解説します。
4-1.引っ越しで必要な手続き一覧
介護施設への引っ越しで必要な手続きを、事前に確認することが大切です。入居日が近づくほどバタバタしてしまい忘れがちなので、余裕を持って手続きを進めましょう。引っ越しで必要な手続きは、主に以下のとおりです。
- 住所地特例適用届
- 要介護・要支援認定の更新手続き
- 引っ越しをして介護施設に入るとき
住所地例対象施設に入居する場合、介護保険の住所地特例待遇用届を高齢福祉課または各振興事務所振興課へ出す必要があります。また、引っ越し前に必ずしてほしいのが、要介護・要支援認定の更新手続きで、これらは更新期限の60日前から更新可能です。
4-2.それぞれの手続き方法を確認しよう!
手続き内容によって、どこでどんな手続きをすればいいのか方法が異なるので注意してください。たとえば、介護施設への入居手続きは、入居希望の自治体で行うことになるでしょう。また、要介護・介護認定の手続きは、引っ越し前の役所で行いますが、必要書類は各自治体で異なります。役所へ行く前に、電話またはホームページで確認してください。
4-3.自分で手続きできない場合は代理人を立てる
自分で手続きをすることが難しい場合は、代理人を立てて手続きすることができます。ただし、代理人が介護保険等の手続きをする際は、委任状と身分証明のための書類が必要です。委任状は各自治体のホームページでダウンロードするか、窓口でもらうことができるでしょう。自治体によっては、委任状に被介護本人の押印が必要なケースもあるため、事前に用意しておいてください。
5.介護施設への引っ越し~業者へ依頼する方法
介護施設への引っ越しを業者へ依頼する方法とポイントを解説します。
5-1.不用品回収業者へ依頼しよう
引っ越し準備でたくさんの不用品が出てくると思いますが、それらを分別したり自治体で処分したりするのはとても大変な作業です。そんなときは、不用品の回収を行っている業者へ依頼してください。ゴミの分類もしてくれるので、時間と手間をかけずに手放すことができます。また、まとめて処分することで費用がお得になるケースもあるのです。荷物が少なくなれば、引っ越しが楽になりますよ。
5-2.回収費用は平均3,000~5,000円
不用品の量や業者などで異なりますが、目安の回収費用は1点あたり約3,000~5,000円です。回収費用だけでなく、運搬料が数千円かかる可能性もあるので注意してください。回収業者へ依頼する前に、無料見積もりを依頼し、追加料金の有無を確認しましょう。
5-3.業者選びのポイント
どの業者に依頼すべきか悩んだときは、以下のポイントに注目してください。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 不用品の回収実績があるか
- 回収だけでなく、買取サービスも行っているか
- 無料見積もり・無料相談を受けつけているか
- 見積書の内容が細部まで記載されているか
- 口コミ・評判がいいか
不用品回収と買取を行っているリサイクル買取サービスでは、高価買取・格安回収が可能です。要らなくなったものの中から価値があるものは積極的に買い取り、格安で回収できます。費用の節約につながるので、ぜひ1度チェックしてください。
6.介護施設への引っ越しでよくある質問
介護施設への引っ越しに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.いつから引っ越し準備を始めるといいの?
A.介護施設への入居が決まったら、なるべく早めに引っ越しの準備を始めるのがベストです。決めた入居日にあわせて、その日までに作業が終わるよう大まかなスケジュールを立てましょう。準備が遅くなるほどバタバタしてしまい、身のまわりの整理が十分にできなくなるので注意が必要です。
Q.病院から退院した後に介護施設へ入居する場合、必要な手続きは?
A.退院後、そのまま介護施設へ入居する場合は、家族が引っ越しの手続きを行うケースがほとんどです。介護施設の中には、病院から介護施設への本人の移送を対応してくれるところもあります。また、入居手続きだけでなく、退院・退所手続きも必要となるため、できる手続きから済ませておきましょう。
Q.私物を整理するメリットは?
A.介護施設への入居をきっかけに私物を整理整頓することで、後々の遺品整理が楽になります。入居する本人がいなくなったとき、私物が大量にあるほど家族に負担がかかってしまうのです。入居のための整理や片付けは骨の折れる作業になるかもしれませんが、この機会に身のまわりのものを整理してください。
Q.介護施設への入居契約時に必要なものは?
A.印鑑・印鑑証明・連帯保証人と身元引受人の印鑑・戸籍謄本・住民票などが必要になります。入居先の介護施設によって必要なものが異なるため、事前に確認したほうがいいでしょう。
Q.気をつけたほうがいい回収業者の特徴は?
A.すぐに契約を迫ったり、回収費用が安すぎたりする業者は、悪徳業者の可能性があるので注意してください。特に、無料回収を謳(うた)っている業者は、後で高額な費用を請求する恐れがあるため、安易に依頼しないようにしましょう。
まとめ
介護施設への引っ越しでは、入居日までに身のまわりのものを整理し、本当に必要なものだけ持参することが大切です。一般的な介護施設の居室は20㎡なので、持ちものがたくさんあると、部屋がいっぱいになってしまいます。将来は車いすを使う可能性もあるので、スペースに余裕が持てるもの・家具を持ち込みましょう。また、荷造りで出た不用品は、まとめて処分できる回収業者へ依頼してください。買取サービスを行っている業者なら、費用を節約できるでしょう。