特殊詐欺の対策方法は? 悪質業者の見分け方と主な手口を詳しく解説!


「特殊詐欺の被害が増えているようだが、どんな手口があるのだろう」「一人暮らしの親が心配なので、特殊詐欺の対策方法を詳しく知りたい」とお考えでしょうか? 近年、特殊詐欺が急増しているのは事実であり、自分たちが被害に遭う可能性も否定できません。まずは、どんな手口があるのか、どんなタイプの人が狙われやすいのかなどを知り、きちんと対策しておくことが必要です。

そこで今回は、特殊詐欺の対策について詳しく解説します。

  1. 特殊詐欺の種類や手口は?
  2. 特殊詐欺で狙われるのはどんな人?
  3. 特殊詐欺を防ぐ対策方法は?
  4. 特殊詐欺に巻き込まれそうになったらどうする?
  5. 特殊詐欺の被害に遭ったときの対処法
  6. 特殊詐欺の対策に関するよくある質問

この記事を読むことで、特殊詐欺の主な手口や対処法がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.特殊詐欺の種類や手口は?

最初に、特殊詐欺の主な種類と手口について見ていきましょう。特殊詐欺は大きく分けて振り込め詐欺の手口と振り込め詐欺以外の手口に分けることができます。

1-1.振り込め詐欺の手口

振り込め詐欺の主な手口を4つご紹介します。

1-1-1.オレオレ詐欺

特殊詐欺の中でも、最も有名なのがオレオレ詐欺です。ターゲットの家族を偽って電話し、急にお金が必要になったことを伝えて、指定口座に送金させようとします。特に多いのが、交通事故の示談や会社のお金の横領を引き合いに出すケースで、問題を大きくしたくない、家族を助けたいという心理を利用されるのです。

1-1-2.架空請求詐欺

架空請求詐欺とは、身に覚えのない有料情報サイト契約に対して超過金や違約金を請求されるものです。最初はメールやハガキなどでアプローチしてきて、ターゲットに自ら連絡させて指定口座に振り込みを指示します。特に多いのがアダルト向けの有料情報サイト関連で、ほかの人に知られたくないという心理を利用されるケースです。

1-1-3.還付金詐欺

還付金詐欺とは、公的機関を名乗る者から電話があり、何らかの過払いによる還付金があると持ちかけられるものです。還付金を受け取るためには、所定のATMで手続きをする必要があるとし、ターゲットを巧みに誘い出して振り込ませます。特に、税務署・役所・年金事務所の職員など、一般的に信用度が高い立場を名乗るパターンが多いのが特徴です。

1-1-4.融資保証金詐欺

融資保証金詐欺とは、「誰でも確実に融資します」などとダイレクトメールなどで持ちかけ、保証料を指定口座に振り込ませるものです。自営業者など、資金集めに困っていそうな人がターゲットになります。最初から融資するつもりはないので、保証料を振り込んだ後、音信不通になって被害に遭ったことに気付くパターンが多いのが特徴です。

1-2.振り込め詐欺以外の手口

振り込め詐欺以外の手口3つを詳しく見ていきましょう。

1-2-1.金融取引名目詐欺

金融取引名目詐欺とは、電話などで未公開株や土地の購入をすすめ、「今購入すれば2倍の金額で買い取る」などとだまして購入資金を送金させるものです。特に預貯金が多く日ごろから株や土地の売買に関心が高い人がターゲットになりやすく、被害金額も大きくなる傾向があります。詐欺行為と気付かせないために、架空の株券や権利書を送付してくるケースもあり注意が必要です。

1-2-2.出会い系詐欺

出会い系詐欺とは、恋人や不倫相手を探している人をターゲットにし、恋愛感情を利用してお金を巻き上げます。ターゲットは自分が詐欺に遭っていると気付かず、相手に嫌われたくない一心でどんどんお金をつぎ込んでしまうのが特徴です。最近ではスマホの普及に伴い、マッチングアプリを利用したケースが多発しています。

1-2-3.ギャンブル必勝法詐欺

ギャンブル必勝法詐欺とは、競馬・競輪・競艇・パチンコなどのギャンブルに勝つ方法を特別に教えると持ちかけ、会員登録料や保証金の名目でお金をだまし取る方法です。自分だけが得したい、楽にお金を手に入れたいという欲望を利用した手口になります。もちろん、ギャンブルに必勝法などあるはずもなく、送金しただけ損をするのが特徴です。

2.特殊詐欺で狙われるのはどんな人?

特殊詐欺で狙われやすい人のタイプを詳しく見ていきましょう。

2-1.一人暮らしの高齢者

特殊詐欺では、一人暮らしの高齢者がターゲットになりやすいものです。一人暮らしだと何かあったときに助けを呼ぶ人がいません。また、高齢者は判断能力が落ちていることが多く、悪質業者に狙われやすいのです。一人暮らしの高齢者であることが悪質業者に知られると、頻繁に電話がかかってくることがあるので注意してください。

2-2.財産が多い

財産が多い人は、特殊詐欺で狙われやすくなります。悪質業者は、効率よく大金をだまし取ろうとすることから、財産が多い人をターゲットにするのです。持ち家に住んでいる人やよい車を所有している人などは、財産が多いと見なされます。また、大企業など安定した企業に勤務している人も狙われやすいので気を付けてください。

2-3.優柔不断な性格

優柔不断な性格の人は、特殊詐欺に遭いやすいので注意しましょう。キッパリ断ることができないことから、ずるずると相手の要求に応じてしまいがちです。また、強い言葉や態度で出てこられると怖くなって反論できないこともあります。優柔不断な性格の人は、確実に信頼できる相手からの電話以外は出ない、知らない人からのコンタクトは無言でシャットアウトするなどで対策しましょう。

2-4.もうけ話に弱い

もうけ話に弱い人も、特殊詐欺に遭いやすくなります。何とかして楽にお金を稼ぎたいと思っている人は、金融取引名目詐欺やギャンブル必勝法詐欺に注意してください。そもそも、簡単にもうかる話を電話1本やハガキなどで持ちかけてくる時点で不審です。欲をかくだけ損することになるので、くれぐれも気を付けましょう。

2-5.さみしがり屋

さみしがり屋の人は、弱い心に付け込まれて詐欺グループのターゲットになりやすくなります。不審な点があっても、会話ができることがうれしくてつい相手の要求に応じてしまいがちです。たとえ一人暮らしでなくても、家族との会話が少なく相手にしてもらえない、話を聞いてくれる友人や知人がいないといった人は注意しましょう。

3.特殊詐欺を防ぐ対策方法は?

特殊詐欺を防ぐための対策方法を詳しく解説します。

3-1.電話をいったん切ってかけ直すと告げる

特殊詐欺を防ぐためにも、怪しい電話に出た際、電話をいったん切ってかけ直すと伝えてみましょう。多くの場合、その場で電話を切ります。電話をかけ直されると自分たちが特殊詐欺を働いていることがバレてしまうからです。しつこく食い下がるようなら、警察から特殊詐欺に注意するように言われたので確認している、と伝えてみましょう。

3-2.迷惑電話対策機能付きの電話機に交換する

特殊詐欺を防ぐには、迷惑電話対策機能付きの電話機に交換するのもおすすめです。迷惑電話対策機能付き電話機に交換すると、以下のような機能により特殊詐欺の予防に役立ちます。

  • 録音通知機能:電話をかけてきた相手に通話が録音されることを通知する
  • 注意喚起機能:電話に出る前に「迷惑電話に注意してください」といったメッセージが流れる
  • 自動録音機能:電話に出ると自動的に通話が録音される
  • 着信拒否機能:指定電話番号や非通知通話などで呼び出し音を鳴らさずに拒否できる

上記のほかにも、各メーカーによりさまざまな迷惑電話対策機能があるので、比較してみるとよいでしょう。

3-3.不審な電話には出ない

不審な電話には最初から出ないのも一つの方法です。特殊詐欺の電話は、10回程度コールして不在と判断すれば、次のターゲットにかけ直します。不審な電話かどうかを判断するには、NTTのナンバーディスプレイサービスに加入すると便利です。受話器を取る前に、どこからかかってきた電話か分かるので、取るか取らないか判断することができます。

3-4.ATMの利用限度額を引き下げておく

ATMの利用限度額を引き下げておくことも、特殊詐欺の被害防止に役立ちます。特殊詐欺では、数十万円以上の大金をATMから送金させることが多いからです。1日の利用上限額を最低限にしておけば、うっかり送金しそうになっても防止できます。また、金融機関からの送金手続きは、面倒でも窓口を利用するのもおすすめです。職員の判断により、特殊詐欺の被害を防止できた例が多くあります。

3-5.特殊詐欺について詳しく学ぶ

特殊詐欺にはどんなパターンがあるか学ぶことも有効な対策方法です。自分には関係ないことだと考えている人ほど、被害に遭いやすくなります。自治体などの特殊詐欺対策セミナーなどに出席する、テレビなどで特殊詐欺にまつわる番組を視聴する、特殊詐欺に関する記事や本を読むなどで学びましょう。世の中には、ありとあらゆる特殊詐欺があり、巧妙な手口でアプローチしてくることに驚くはずです。同時に、特殊詐欺に対して認識が変わり、不審な電話や人物に対して身構えることができるようになります。

4.特殊詐欺に巻き込まれそうになったらどうする?

特殊詐欺に巻き込まれそうになったときの対処法を詳しく見ていきましょう。

4-1.身内や信頼できる人に相談する

特殊詐欺に巻き込まれそうになったら、一人で悩まずに身内や信頼できる人に相談することが大切です。特殊詐欺の被害者は、誰にも相談することなく一人で問題を抱え込んでしまう傾向があります。しかし、おかしいと思った時点で誰かに相談することができれば、被害を防ぐことができるのです。そのためにも、日ごろから周囲の人との交流を深め、気軽に相談できる人を見つけておきましょう。

4-2.警察相談専用電話9110番を利用する

特殊詐欺に巻き込まれそうになったときは、警察相談専用電話9110番を利用するのもよいでしょう。警察相談専用電話なら、平日の午前8:30~午後5:15を基本に、専門の相談員が詳しく話を聞いてくれるので安心です。また、警察の対応が必要だと判断された場合は、相手先への警告や検挙に至ることもあります。

4-3.だまされたフリをして警察に通報する

だまされたフリをして警察に通報するのもよい方法です。警察では、特殊詐欺の被害拡大を深刻に捉えており、現行犯逮捕に力を入れています。まずは、だまされたフリをして相手の連絡先や指定口座番号を聞き出しましょう。相手からの電話には、必ず振り込むので待っていてほしいと伝えて切ってください。電話を切った直後に警察に相談し、その後の指示を受けましょう。

5.特殊詐欺の被害に遭ったときの対処法

特殊詐欺の被害に遭ったときの対処法を詳しく解説します。

5-1.金融機関に連絡する

特殊詐欺の被害に遭ったら、速やかに金融機関に連絡してください。金融機関では、振り込め詐欺救済法に基づいて該当口座を凍結します。まだ口座にお金が残っていれば、被害者に分配されることになるので、被害を最小限に防ぐことが可能です。特殊詐欺の犯人にとって、口座の凍結は大きな痛手となります。ただし、スピード勝負なので、タイミングによっては間に合わないこともあるでしょう。

5-2.警察に被害届を出す

特殊詐欺の被害に遭ったら、警察に被害届を出しましょう。被害届は、住所を管轄する警察署に提出することになります。被害届には、以下のような内容を記入してください。なお、被害届の書式は警察署にて入手可能です。

  • 被害者の住居・職業・氏名・年齢
  • 被害に遭ったの年月日と時間
  • 被害に遭った場所
  • 被害状況
  • 被害金額(品名・数量・時価・特徴・所有者など)
  • 犯人の住所・名称・連絡先など
  • そのほか特記するべき内容

なお、警察に被害届を出すと、届出受理番号が付与されます。届出受理番号は、損害保険を請求する場合や振り込め詐欺救済法を利用する場合に必要となるので、きちんと控えておきましょう。

5-3.弁護士に相談する

弁護士に相談することも、特殊詐欺の被害に遭ったときの対処方法です。特に被害金額が大きな場合は、弁護士に相談して法的な手続きを進めてもらうことも検討してみましょう。詐欺グループの連絡先が判明しており、明らかにだまされたことが証明できれば、民事訴訟を起こすこともできます。ただし、弁護士に相談して法的な手続きを進める場合、数十万円程度の費用がかかることを承知しておきましょう。

6.特殊詐欺の対策に関するよくある質問

最後に、特殊詐欺の対策に関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.振り込め詐欺救済法とはどんな法律?
A.特殊詐欺のうち、振り込め詐欺に該当するケースの被害者を救済する法律です。該当口座を凍結した際に残留預金がある場合、所定の手続きをすることで被害金額の一部もしくは全額が戻ってくる可能性があります。より詳しい内容は、一般社団法人全国銀行協会のホームページを参考にしてください。

Q.子どもの携帯電話からかかってきた場合でも詐欺を疑うべきか?
A.念のため疑ったほうがよいでしょう。普段と違った口調や様子が見られる場合、詐欺グループが子どもの携帯電話を悪用している可能性があります。

Q.貯蓄や持ち家がない人は特殊詐欺に遭わない?
A.いいえ。被害に遭う可能性はあります。特に、出会い系詐欺やギャンブル必勝法詐欺などに用心してください。

Q.特殊詐欺に何回も遭う人がいるのはなぜ?
A.特殊詐欺の手口が年々複雑化しているからです。また、1回被害に遭った人は詐欺グループから目を付けられやすく、情報を共有されている可能性も否定できません。

Q.家族が女性だけの場合で有効な対策方法は?
A.家に男性が住んでいるようにカモフラージュし、詐欺グループのターゲットにならないように注意しましょう。たとえば、以下の方法を参考にしてください。

  • 男性ものの靴を玄関に並べておく
  • 男性ものの洗濯ものをベランダなどに干しておく
  • 電話口で男性の名前を呼ぶ
  • 帰宅時に「お父さんただいま」などと言いながら入る

上記のほかにも、表札を名字だけの表記にするのもおすすめです。

まとめ

今回は、特殊詐欺の対策について詳しく解説しました。特殊詐欺の手口は、年々複雑化しています。思わぬ被害に遭わないためにも、どんな手口があり、どんな人が狙われやすいかしっかり学んで対策してください。たとえば、多くが固定電話を利用してアプローチしてくるため、迷惑電話防止機能付き電話機に交換したり、固定電話自体を廃止したりすることも効果的です。なお、一人暮らしの高齢者は特に詐欺グループのターゲットになりやすくなります。親が被害に遭わないためには、子どもが常に気をかけ、一緒に対策することも必要でしょう。


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